《9》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻」 (2)ー4 目撃
- 2017/01/24
- 00:03
格子柄がプリントされた飾り気のない綿パンティ。今どきの女子はこんなものを履いているのか。
そして今からこれを桃瀬が履く……そう考えると、心臓の鼓動がいつもより数十倍早くなってることが分かる。
(……もうこの辺にしておこう)
これを桃瀬に渡して自分はずらか――、
パシャリ。
無機質な電子音が室内に響き渡る。
今になって僕は気付いてしまった。保健室の扉を〝開けっ放し〟にしてしまっていたことを。
恐る恐る振り向いてみると、そこには見知った女性がスマホをかざして立っていた。
「伊庭先生……!? いや、あの……」
肩まで伸びたセミロングの茶髪と、細いフレームの眼鏡が似合う彼女は、僕のクラスの副担任・伊庭倫子(いばりんこ)だった。
見た目に違わず生真面目な性格で、規律・規則に厳しいことから、赴任して二年目でありながら一部の女子からは苦手意識を持たれているとか。しかし、一部の男子生徒には熱烈なファンがいるとかいないとか――イヤ、そんなことどうでもいい。
「築月先生?……あの、下着を――あ……伊庭先生?」
カーテンからおそるおそる顔を出した桃瀬は、怪訝な顔つきで入口に立つ伊庭先生を見て少し驚いた表情になった。何てタイミングの悪い。
「築月先生? どういうことか――説明してくれますよね?」
真面目な副担任はズレかけた眼鏡を直しながら、何かを押し殺すように言った。しかし、そこにはかなりの怒気がこめられていた。
そして今からこれを桃瀬が履く……そう考えると、心臓の鼓動がいつもより数十倍早くなってることが分かる。
(……もうこの辺にしておこう)
これを桃瀬に渡して自分はずらか――、
パシャリ。
無機質な電子音が室内に響き渡る。
今になって僕は気付いてしまった。保健室の扉を〝開けっ放し〟にしてしまっていたことを。
恐る恐る振り向いてみると、そこには見知った女性がスマホをかざして立っていた。
「伊庭先生……!? いや、あの……」
肩まで伸びたセミロングの茶髪と、細いフレームの眼鏡が似合う彼女は、僕のクラスの副担任・伊庭倫子(いばりんこ)だった。
見た目に違わず生真面目な性格で、規律・規則に厳しいことから、赴任して二年目でありながら一部の女子からは苦手意識を持たれているとか。しかし、一部の男子生徒には熱烈なファンがいるとかいないとか――イヤ、そんなことどうでもいい。
「築月先生?……あの、下着を――あ……伊庭先生?」
カーテンからおそるおそる顔を出した桃瀬は、怪訝な顔つきで入口に立つ伊庭先生を見て少し驚いた表情になった。何てタイミングの悪い。
「築月先生? どういうことか――説明してくれますよね?」
真面目な副担任はズレかけた眼鏡を直しながら、何かを押し殺すように言った。しかし、そこにはかなりの怒気がこめられていた。