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《11》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻」 (3)―2 不満

矢行先生が取り成すように口を挟んだ。

「そんなの関係ありません! 私達は教師ですよ! 生徒達を正しく導くものとして、節操のない振る舞いをした彼を見過ごせと!?」

伊庭先生の目がキラリと光った気がした。何とかこの状態から抜け出さないと、後で大変なことになる。考える僕を横目に、矢行先生は大きな溜め息をついて言った。

「分かったわ、じゃあこうしましょう」

矢行先生は髪をクシャクシャと搔きむしったと思ったと思ったら、一瞬の隙をついて伊庭先生の手からスマホをすりとった。

「写真はこれだけ? じゃあひとまずこの画像は私が預かっとくわね」

「な……!?」

「え?」

一瞬過ぎて、何かのマジックかと思い僕二人の手元を交互に見つめた。伊庭先生も同じように。
そんな僕らにお構いなしに矢行先生は、カシャカシャとスマホの画面を操作していく。

「別に不問にするわけじゃないわ。私達はいつでも彼を搾り上げられる立場にあるってこと。もし次に彼が何か問題を起こしたら、率先して校長に突き出しちゃいなさい。そのときは、私も後押しするわ。――それでどう?」

伊庭先生は突然のことで驚いていたが、直ぐに調子を取り戻して言った。

「どう?じゃありませんよ! それは見過ごすことと一緒じゃないですか!? 何かあってからじゃ遅いんですよ!」

伊庭先生は興奮気味に答える。彼女の中で、既に僕は変質者と同じ扱いのようだ。

「ハイ、出来た。言っとくけどリンコちゃん。これは、あなたのためでもあるのよ?」

伊庭先生は切り替えしながら、スマホを彼女に返す。

「仮に築月くんが問題を起こしたとしましょう。そうなると当然、副担任であるあなたへの周りの対応は、以前とは違うものになるんじゃないかしら?」

矢行先生の一言に、伊庭先生はやや怯んだ様子。

「そ、そんなの……私は関係ないじゃないですか!?」

「あなたがそう思っていても、周りの男共は噂するでしょうねぇ。〝「品行方正」を掲げておきながら、同じクラスの同業者すらコントロール出来ない、やっぱり女は使えない〟って」

「ウ…………」

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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