おもらし作品ブックレビュー 特別版『自分流R-18おもらし漫画作品トップ10』(1)
- 2018/02/03
- 12:56
僕は前回のレビューで「成人向け漫画よりも一般向け作品を中心に取り扱いたい」「成人向けでは、おもらしはあくまで前座のような立ち位置」だとハッキリ書いた。さらに、「そんな中にも思わず心をときめかせてしまった作品が何作かあった」とも。
前回散々なことを書いたわけではあるが、一つだけハッキリさせておきたいことがある。僕は成人向け漫画のおもらし描写が嫌いではない。むしろ成人向けだけあって、現実にその光景を見るよりもいやらしく、ときに快感という言葉だけでは収まらないエロチシズムを感じさせることもあるのでは、と本気で変えることもある。
だから語ろうと思えばいくらでも出来るのだが、あくまでこのレビューでは店頭に並びやすい一般文芸作品を紹介していきたい。そこでどうするか。
今回は特別版ということで、僕がこれまで読んできたR-18指定の漫画作品の中で、特に興奮したおもらし描写が入っている作品トップ10を発表しようと思う。勿論あくまで個人の見解なので、異論反論は大歓迎である。因みに今回はあくまで商業誌に絞るので、同人作品は対象にしないことにした。また〝おねしょ〟に関しても、別にジャンルがあるので別物として考える。
9位、『10%の雨予報』
10位、『特別じゃない秘密の関係/紫恩(キリブックス)』
今回の選定には非常に悩んだ。トップ10を選ぶのも辛かった。というか、前述に「何作か」と書いておきながら余裕で二桁いってるじゃないか、という意見には耳を貸さないことにする笑
第10位は、『特別じゃない秘密の関係/紫恩』。男子生徒の中で人気の女生徒と身体を求め合う関係となってしまった主人公が、様々な女性に翻弄される姿を描いたハーレム漫画である。この作品は主人公の男子高校生・要とヒロインのルイがいわゆるセフレという関係なので、惜しげもなくHシーンが沢山描かれている。また他にもタイプの違う女性と絡み合うシーンも多いため、読者はこの上ない満足度が得られるはずだ。さて、肝心のおもらしシーンだが、実はかなり序盤で出てくる。というのも、この作品の全てのキッカケはおもらしから始まるからだ。自宅マンションのエレベーターに閉じ込められ、何十分も助けのこない箱の中でルイはオシッコを漏らしてしまい、主人公の要はそれをバッチリ目撃してしまう。泣き崩れるルイは、要にとんでもない要求を突きつけるーーという展開となっている。
まさに〝おもらし前座論〟をまっすぐ表現したストーリーなのだ。ベタな展開が好きな僕としてはとても嬉しいものだったが、問題はおもらしシーン。これは個人的にあまり興奮出来なかった。というのも、漫画では尿意に耐えきれずおもらしする瞬間、ヒロインの顔が映っていないのだ。膝から崩れ落ち、ヘソから下がアップされ、足下をボトボトと流れ落ちるオシッコとそれに驚く要の表情たるや。
次ページではもう場面が変わっているのだが、実はここからが僕のオススメシーン。マンションの廊下を、脱力したルイをおんぶしながら運ぶ要。そのときオシッコで濡れたスカートのお尻部分のどアップのコマがあり、そこにルイのセリフで「ごめんなさい」と添えられる。さらに次のコマでも、何度も何度も謝り続けている。スカートにオシッコのシミをつけたままで。ここで僕は、この作品がとても丁寧なつくりになっているのと思うと同時に、この作品のつかみは成功したことを感じた。最初の数ページで、彼女のキツいキャラからのギャップ萌え。まさに、おもらしヒロインに読者が恋する段取りをつけてくれているといえよう。因みにこの後ヒロインは、自宅の浴槽で体育座りで泣き続けるのだが、その際もお尻のシミをバッチリと見せつけてくれる。作者がおもらし好きかもと親近感を抱いたのは、また別の話。とにかく、普通の漫画作品としても楽しめるので是非一読を。
これ以上書くと終わらないので、次に進もう。
9位は『10%の雨模様』。主人公・小倉が家で一人でいると、憧れのなつみ先輩から電話がかかってくる。ドキドキしながら電話をとると、「あけといて、おしっこだから」とだけ言って、一方的にきられてしまった。よほど切羽詰まっていたのかと、彼女を家の中に入れるも彼女は瀬戸際でおもらしをしてしまう……という展開。
ストーリーに親しみがあるわけではないし、萌えを見出せるキャラデザインというわけでもない。注目すべきは、彼女のおもらしポーズにある。彼女はトイレを目前にして漏らしてしまうわけだが、右脚を前、左脚を後ろに、まるで行進のような立ち姿で、大きく開かれた股から勢いよくおもらしをしてしまうのだ。
そのときのセリフは、一言「あ」である。そしてそれを見つめる小倉の言葉も「あ」のみである。僕はこの「あ」には、様々な意味が含まれていると考える。おもらしをしてしまったことに気付いたこと、他人の家でしてしまった申し訳なさ、異性に見られてしまったことの恥ずかしさ、そして耐え切れなかったことの無念さと悔しさ、それらが入り混じった「あ」なのだ。もしこういう場面に陥ったとき、漫画では多くのセリフを書くものだが本来はこちらのはずだろう。何が起きたのか理解出来ず、思考がストップした状態で人間が絞り出せる唯一の言葉が「あ」なのだ。そういう意味でリアリティがあり、非常に興奮を得るものといえるのだ。
本日はここまで。次回は8位〜の発表をする。