《1》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻」 プロローグ Regret 〜後悔〜
- 2017/01/11
- 16:42
どうしよう。本当にどうしよう。
もう心の中で何度呟いたか分からない。額にはポツポツと脂汗が浮かんでいる。
無機質な音を同じペースで刻む時計の針を見る。三時五分。さっきからまだ三分しか経っていない。無駄だと分かっていながら、私は時計を恨めしそうにキッと睨めつけた。
(ウゥ……ウッ!!)
一瞬でも、スカートの上から股の間に挟まれた手の力が緩んだことで、転落へのカウントダウンが始まってしまった。
スカートの中の下着の真ん中に、ジワリと一点の曇りが浮かぶ。
(あぁ……チビっちゃった)
後悔しても遅い。
委員長として授業に遅れるわけにはいかなかった。会議を終えた後、顧問の先生に呼び止められ頼み事に時間を取られてしまい、トイレに行きそびれてしまった。
(う、うぅ……ト、トイレ……)
襲いかかる尿意に必死に抗いながら、私はスカートの裾を握りしめる。
授業終了まで残り四十分。会議の始まる前にも若干の尿意はあった。どうしてあのときにすませておかなかったのだろう。
高校一年生にもなって、オシッコの管理に失敗するなんて情けない。
(大丈夫、我慢出来る……ウン、大丈夫……)
正直限界は近かった。しかし、諦めるわけにはいかなかった。
ここで失敗なんてしまったら。その後のことを考えただけで、私は身を震わす。
思いつめたような表情で、視線を黒板の前に立つ教員へと向ける。
小柄で線の細く、幼さの残る顔つき。スーツを脱いで、指定の学生服に着替えれば生徒に溶け込めるかもしれない。背筋をピンと伸ばし、大人の威厳を出そうとしているところが、逆に頼りなさを出している。
(言えない……言えるわけない……)
タイミングを見て先生に言おうと思った。しかし、出来なかった。
いざ言おうとすると、手が動かない。口が動かない。羞恥心が勝ってしまうのだ。このままではもっと恥ずかしい思いをするというのに。
心の中で自問自答を繰り返した結果、トイレを言い出すチャンスを失ってしまったのだ。
(でも……このままじゃ……)
パンパンになった膀胱が内側から悲鳴を上げているようだった。突き上げる尿意が、自然と膝を擦り合わさせる。貧乏ゆすりのように腰をよじったり、くねらせる。しかし。
(ウゥ……ウァァ……)
白い下着に再び悪夢の染みが浮かび上がる。今度のは大きく、先程のしくじりと組み合わさって一つの島をつくったような気がした。
(も、もうダメだ……)
言うんだ。言うしかない。言うは一瞬の恥。言わぬは一生の恥だ。
何を難しいことがあるのか。手を上げて先生に「トイレに行かせて下さい」というだけじゃないか。
少し笑われようが何だ。生理的欲求をどうしろというのだ。
私は決意の表情を浮かべ、こみ上げる尿意に最後の抵抗を試みた。
もう心の中で何度呟いたか分からない。額にはポツポツと脂汗が浮かんでいる。
無機質な音を同じペースで刻む時計の針を見る。三時五分。さっきからまだ三分しか経っていない。無駄だと分かっていながら、私は時計を恨めしそうにキッと睨めつけた。
(ウゥ……ウッ!!)
一瞬でも、スカートの上から股の間に挟まれた手の力が緩んだことで、転落へのカウントダウンが始まってしまった。
スカートの中の下着の真ん中に、ジワリと一点の曇りが浮かぶ。
(あぁ……チビっちゃった)
後悔しても遅い。
委員長として授業に遅れるわけにはいかなかった。会議を終えた後、顧問の先生に呼び止められ頼み事に時間を取られてしまい、トイレに行きそびれてしまった。
(う、うぅ……ト、トイレ……)
襲いかかる尿意に必死に抗いながら、私はスカートの裾を握りしめる。
授業終了まで残り四十分。会議の始まる前にも若干の尿意はあった。どうしてあのときにすませておかなかったのだろう。
高校一年生にもなって、オシッコの管理に失敗するなんて情けない。
(大丈夫、我慢出来る……ウン、大丈夫……)
正直限界は近かった。しかし、諦めるわけにはいかなかった。
ここで失敗なんてしまったら。その後のことを考えただけで、私は身を震わす。
思いつめたような表情で、視線を黒板の前に立つ教員へと向ける。
小柄で線の細く、幼さの残る顔つき。スーツを脱いで、指定の学生服に着替えれば生徒に溶け込めるかもしれない。背筋をピンと伸ばし、大人の威厳を出そうとしているところが、逆に頼りなさを出している。
(言えない……言えるわけない……)
タイミングを見て先生に言おうと思った。しかし、出来なかった。
いざ言おうとすると、手が動かない。口が動かない。羞恥心が勝ってしまうのだ。このままではもっと恥ずかしい思いをするというのに。
心の中で自問自答を繰り返した結果、トイレを言い出すチャンスを失ってしまったのだ。
(でも……このままじゃ……)
パンパンになった膀胱が内側から悲鳴を上げているようだった。突き上げる尿意が、自然と膝を擦り合わさせる。貧乏ゆすりのように腰をよじったり、くねらせる。しかし。
(ウゥ……ウァァ……)
白い下着に再び悪夢の染みが浮かび上がる。今度のは大きく、先程のしくじりと組み合わさって一つの島をつくったような気がした。
(も、もうダメだ……)
言うんだ。言うしかない。言うは一瞬の恥。言わぬは一生の恥だ。
何を難しいことがあるのか。手を上げて先生に「トイレに行かせて下さい」というだけじゃないか。
少し笑われようが何だ。生理的欲求をどうしろというのだ。
私は決意の表情を浮かべ、こみ上げる尿意に最後の抵抗を試みた。