《4》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻」 (1)ー2 号泣
- 2017/01/15
- 17:54
「…………ッ!!」
目に生気を宿した彼女は自分の状態を把握したようだ。
お尻に広がる不快な生暖かさ。グッショリと濡れたスカートとパンツ。そして、椅子の下には自分を中心とした黄色がかった水の湖。これらが意味するものといえば。
「ぁ……ぁ……先生! ご、ごめんなさい!!」
教室の真ん中で、しかもクラスメート全員の前で盛大におもらししてしまった女子生徒。どぎまぎしながら、徐々に込み上がる羞恥心。悲しさと悔しさで涙腺が緩む。手の甲で滴る涙を拭うが、涙は止まるどころかその勢いを増す。
「……わ、私……が、我慢が……あ、あ、ア……アアアアアアッッ!!!!!!」
彼女は机に突っ伏して嗚咽を上げて泣き始めてしまった。
しかし、いつまでもこうしてるわけにはいかない。
「保健委員! 彼女を早く保健室に連れて行ってあげなさい! あと誰かバケツに水を入れて持ってきて! 雑巾も!」
僕が言ったことを理解した数人の女子生徒が、ロッカーに入っていた掃除用具を持って、教室を出て行く。しかし、保健委員である木下(きのした)の手が挙がらない。
「あの、先生……木下さんは休みです」
「……あ」
うっかりしていた。保健委員である木下は二日前から風邪をこじらせて休みだったのだ。となると、男子の――いや、流石にそれは少し問題がある気がする。
そうなれば仕方ない。
「分かった、先生が連れて行く。すぐ別の先生に来てもらうから、皆あまり騒がないように」
僕は桃瀬の机の前に移動し、顔を伏せた彼女の頭へと声をかけた。
「桃瀬、大丈夫か? 立てる?」
先程まで堰を切ったように泣いていた彼女であったが、少しずつその波もひいていた。僕の声は耳に届いているはず。
声をかけられたことで、身体がビクついたようだが、沈黙の後彼女はゆっくりと顔を上げた。
「…………桃瀬!?」
彼女は耳まで真っ赤にしながら、眼から涙を流し続けていた。緩みっぱなしの涙腺から流れる涙は凄まじい量で、机の上にもまた一つの湖をつくってしまっていた。本気で泣いたのだろう、鼻水も垂れ流し状態だった。
何の気なしに差し出した僕のギュッと握ると、決心したようにヨロヨロと立ち上がろうとするーー。
「……あ、ちょっと待って下さい」
目に生気を宿した彼女は自分の状態を把握したようだ。
お尻に広がる不快な生暖かさ。グッショリと濡れたスカートとパンツ。そして、椅子の下には自分を中心とした黄色がかった水の湖。これらが意味するものといえば。
「ぁ……ぁ……先生! ご、ごめんなさい!!」
教室の真ん中で、しかもクラスメート全員の前で盛大におもらししてしまった女子生徒。どぎまぎしながら、徐々に込み上がる羞恥心。悲しさと悔しさで涙腺が緩む。手の甲で滴る涙を拭うが、涙は止まるどころかその勢いを増す。
「……わ、私……が、我慢が……あ、あ、ア……アアアアアアッッ!!!!!!」
彼女は机に突っ伏して嗚咽を上げて泣き始めてしまった。
しかし、いつまでもこうしてるわけにはいかない。
「保健委員! 彼女を早く保健室に連れて行ってあげなさい! あと誰かバケツに水を入れて持ってきて! 雑巾も!」
僕が言ったことを理解した数人の女子生徒が、ロッカーに入っていた掃除用具を持って、教室を出て行く。しかし、保健委員である木下(きのした)の手が挙がらない。
「あの、先生……木下さんは休みです」
「……あ」
うっかりしていた。保健委員である木下は二日前から風邪をこじらせて休みだったのだ。となると、男子の――いや、流石にそれは少し問題がある気がする。
そうなれば仕方ない。
「分かった、先生が連れて行く。すぐ別の先生に来てもらうから、皆あまり騒がないように」
僕は桃瀬の机の前に移動し、顔を伏せた彼女の頭へと声をかけた。
「桃瀬、大丈夫か? 立てる?」
先程まで堰を切ったように泣いていた彼女であったが、少しずつその波もひいていた。僕の声は耳に届いているはず。
声をかけられたことで、身体がビクついたようだが、沈黙の後彼女はゆっくりと顔を上げた。
「…………桃瀬!?」
彼女は耳まで真っ赤にしながら、眼から涙を流し続けていた。緩みっぱなしの涙腺から流れる涙は凄まじい量で、机の上にもまた一つの湖をつくってしまっていた。本気で泣いたのだろう、鼻水も垂れ流し状態だった。
何の気なしに差し出した僕のギュッと握ると、決心したようにヨロヨロと立ち上がろうとするーー。
「……あ、ちょっと待って下さい」