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《43》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(8)ー4 処分

「しなくてはいけません! いいですか、校長!! 数日前に起きた黒板への落書き事件含め、学校の風紀を乱すような中傷や、嘘八百なデマ情報は敷島先生のご尽力もありネット上から全て削除されました。やっと一件落着と思った矢先にこんな……下手をすれば、今度こそマスコミが動きかねせん! ただでさえ、今日は全学級一斉で抜きうちの持ち物検査をする予定が……」

「いや、それならばまた後日に……」

「今日の予定だったはずです!!!!」

このままでは喉が潰れるのではと、こっちが不安になるような金切り声で叫び続ける。
そうなのだ。先日の黒板への落書き事件の一件で、SNSに載せられた写真がアップしたのは授業が始まるほんの少し前。つまり、学校へ無断で携帯機器を持ってきている生徒が多数いることが判明し、ここぞとばかりに教頭含め風紀委員は一斉摘発に臨んでいるのだ(というか、気付かなかったのか?)。見つけ次第、解約していく予定とか。

「それに、むしろ好都合ではないのかね? この写真をスマホか何かで撮影した生徒がいたとしたら、必ず見られているわけだし。それに、この写真がネットに流出したという情報はまだ入ってきてないし……」

「それとこれとは話が別です! とにかく、各担任の先生方へ、もし目撃した生徒がいたとしても、絶対に口外しないようにと口酸っぱく言っておくようにお伝え下さい! いや、むしろ写真を見つけ次第、機器をその場で壊しても構わないと!!」

すごい剣幕で、もはや叫ぶことが仕事のごとく叫ぶ。壊してもいいなんて、生徒への仕打ちとしては度を超えている。

「まぁ、落ち着きなさい。それはそれとして…
…築月先生。こういった写真が出てしまった以上、我々も動かないわけにはいかない。何らかの処分は覚悟してもらわなくては。分かるね?」

その言葉に僕は押し潰されそうになった。学校の先生の不祥事によるニュースは、未だに世間を騒がせる。生徒への淫らな行為、体罰、イジメの隠蔽……数えあげればキリがないが、その殆どがよろしくない結末が待ち受けている。僕もアイツらと同じ道を辿るのか。
頭の中に浮かぶのは、処刑台への階段を昇りきった僕。目の前に天から吊るされたロープの輪がーー。

◆◆

〝溜め息をつくと幸せが逃げる〟なんて言い伝えがあるらしいが、それは間違っているというのを聞いたことがある。
溜め息とは、バランスの崩れた自律神経の働きを回復させるための作用があるらしく、むしろ体にいいものなのだという。
だから僕もこの緊張をほぐすために溜め息を吐きたかったのだが、不思議と溜め息をつく気分になれなかった。目の前の女性曰く、「本当に疲れきったら溜め息も出ない」とか。

「全校生徒の前で謝罪……?」

溜め息理論について説いてくれた矢行先生に、校長(というか教頭)に押し付けられた難題について説明していた。

「何でだ!? 写真は出回ってないんだろう、ならば内々で収めればいいはずだ」

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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