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《42》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(8)ー3 写真

「ーーえ」

掲示板に貼られていたのは二枚の写真。
一枚目には若い男性が映っており、手に持っているのは女性用の下着。それを天に掲げ、じっと眺めている。そしてもう一枚は、男女が抱擁をしている瞬間の写真。女性の方は背を向けているので顔は分からないが、場所はどこかの屋上といった感じ。男性の方も思いっきり女性の肩に手を回しており、満更でもないといった感じで映し出されていた。どちらも教育上よろしくない。
いや、そんなこと問題ではない。それよりも大きな問題が。そこに映っている男性は同じ人間ーーそう、自分だった。

「な、何でこれが……」

一枚目の写真は間違いなく、あのとき伊庭先生に撮られたもの。しかし、あれはすぐに削除され写真は矢行先生が持っていたはず。まさか矢行先生が。いや、それは考えられない。というか考えたくない。じゃあ伊庭先生が。まさかメモリーを残していたとか?
そしてもう一枚は……まさか、昨日の? じゃあまさか、この女性は桃瀬さん? そういえば少し見づらいが、着ているのはこの学校の制服のようだ。イヤイヤイヤ、ちょっと待て。ちょっと待て、ちょっと待て。

「築月先生」

冷ややかな声が自分を呼ぶ。振り向くとそこには、怒りを隠すような表情で立っている教頭先生と痛恨の表情を浮かべている校長先生。その背後には、悔しそうに顔を歪ませる矢行先生と伊庭先生。
先生方の登場に、ざわめいていた生徒達も蜘蛛の子を散らすかのごとくパッと散っていった。

「お話があります、すぐに校長室までお越し下さい」

頭の中で、死刑台へと続く階段の一段目を登る自分の姿が浮かぶ。

◆◆

「これは一体どういうことですか。今度こそ納得のいく説明をお願い出来ますね?」

ジト目になって僕を問い詰めるのは、僕の正面で高級そうな椅子に座る校長先生ーーではなく、その傍らに立つ教頭先生だった。
すぐに呼び出された僕は、校長室という名の取調室で尋問を受けていた。前回の口頭注意だけではスッキリしなかったのか、教頭先生は尻尾を捕まえたと言わんばかりに踏み込んだ質問をぶつけてくる。

「この写真の女性……いや、この女子生徒は誰なんですか!? 教師が生徒といかがわしい行為をするなんて、一体どういうおつもりですか!?」

「……いえ、ちょっと待って下さい。僕はそんな、教頭先生が考えているようなことはしてませんし、そのつもりもありませんしーー」

「では、こっちの写真はどう説明するんですか!?」

教頭先生の憤りは誰が見ても明らかだった。ピリピリが伝わったのか、校長先生が必死で宥めようとするが、教頭先生の勢いは止まらない。

「何なんですか!! 教師が女性の下着を、こんなヤラシイ目でマジマジと眺める、破廉恥極まりない写真は!?」

……何て説明すればいい? 確かにこっちの方が説明はしやすい。『先日、桃瀬さんを保健室へと連れていったときに撮られたもので、彼女に替えの下着を渡そうとしたときの写真です』、こう言えば納得してもらえるだろうか。
……答えはNOだ。だって、ただ渡すだけだったら、こうはならないから。サイズを見たいなら、タグを見ればいい。しかし写真には、下着をじっくりと眺めている僕の姿がハッキリと映し出されている。しかもあのときの僕は、ほんの出来心で、これから桃瀬が履くのであろう下着を広げて見てしまったのだ。弁解しようにも出来ない。

「前回は校長先生の温情もあり、私も身を退きました。しかし、今回はそうもいきません。私達含め、保護者、生徒にも納得の出来る説明をして貰わなくてはいけません。既に多くの生徒に見られ、話題になっているはず。混乱とまではいきませんが、各担任の先生方から説明してあげないと、授業に支障の出る可能性も」

「いや、教頭先生。そこまでしなくても……」

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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