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《46》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(9)ー1 公園

秋の日はつるべ落とし。その言葉に偽りはなく、夜の帳は既に訪れていた。
月明かりと街灯が漆黒の世界を明るく照らしてくれる、もっと暗いのは僕の心の方だった。
担当教科のテストの採点なので、当然自分のクラス以外の生徒全員を行わなければならない。他にも空き時間でこなし切れなかった校務を片付けなければならなかった。僕は部活動等の顧問をしていないため、やるべきことを終えたらいつもさっさと帰ることにしていた。他の人が残っていると、何か帰りづらいとか若手は他人の目が気になる、とか言うけど僕はそんなの全く気にしない。自分には自分の生活があるのだ。……姉さんのことも心配だし。
しかし、今日はそういうわけにもいかなかった。残業しなければいけないときは勿論あるが、今回は仕事というより「原稿書き」だった。明日、僕は全校集会で登壇する。不本意とはいえ、生徒らに謝罪をしなくてはならない。何度も何度も書き直しさせられた。少しでも都合の悪いことが書いてあると、すぐに横線をひかれてしまう。ようやく帰宅の路につけたのは、殆どの先生が帰った後だった。

「明日か……」

ズボンのポケットから完成した原稿を取り出した。見るだけで、背中が痒くなるような謝罪のテンプレートが並ぶ並ぶ。30点。
その殆どが教頭先生の意見を尊重しなくてはならず、自分の考えなんて一ミリも入れることは出来なかった。こんな形だけの謝罪、何でしなくてはいけないのか。誰が喜ぶのか。保護者代表PTAか、教頭自身かーーそれとも、桃瀬さんか。

「……あ」

そんなことを考えながら歩いていたら、アパートが少しだけ離れたところにある公園の入り口の前にいることに気付いた。当然子供達の姿はなく、滑り台や砂場、ジャングルジムといった
定番の遊具らが独特の雰囲気を醸し出しながら、そこにそびえ立って〝いた〟。僕は何の気なしに入り、ベンチの上に座った。このまま暗い表情でアパートに帰るより、ここで少し気分を落ち着かせたかった。

「……どうしてこうなっちゃったのかな〜」

全ては一週間くらい前。僕のクラスの委員長・桃瀬楽久美が、授業中におもらしをしてしまったことに始まる。保健委員不在ということもあり、付き添いで自分も保健室へと同行した。彼女を一人にしておくことは出来ず、彼女の着替えを手伝っているところを写メで撮られてしまった。その後、クラスの少し異様な空気に気付いてながらも何も行動を起こせず、桃瀬を追い込む形となってしまった。それでもクラスの皆を信じようとーーイヤ、これ以上は何も起きないだろうとタカをくくっていた矢先、黒板落書き事件が起こり、問題となってしまう。
さらには、桃瀬の心の支えとなっていた恋人の上山が、実は彼女がおもらしをするきっかけをつくっていたことが判明し、彼女は絶望の内に再びおもらしをしてしまう。自暴自棄になりかけた彼女のためにと、僕は胸を貸した。その瞬間にを写真に撮られてしまいーー現在に至る。

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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