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《72》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 エピローグ servant of a day 〜在りし日の僕〜

〜〜♪
その日僕は自宅のアパートでレポートをまとめていた。これが済んだら、教員採用試験の勉強。あぁ、忙しい。本当に忙しい。それに難しい。
しかし、僕は来年四年生だ。教育実習もあるし、ゼミの「卒業研究」も考えなくてはならない。だから大学から帰宅しても、こうして机に向かっている。
そんな僕の集中を削ぐようにスマホから流れる着信音。ディスプレイには〝志美子〟と表示されていた。時計を見る。既に零時を過ぎている。こんか時間まで何やってるんだか。

「……ハイ、もしもーー」

『タロウ!? アンタ今、部屋にいるよね!?』

僕の話を聞かず、彼女は食い気味に叫んできた。かなり焦っているようだ。

「え、いるけど……」

『じゃあさ、開けといて!! オシッコだから!』

それだけ言うと、彼女は電話を切った。何だ、どうした。彼女はオシッコと言った。あの焦り方、そして時折聞こえた悩ましげな吐息。まさか、限界が近いということか。

ーーガチャ、ガチャ……

そんなことを考えてたら、玄関のドアノブがひとりでに動いた。彼女が動かしているのだろうか。

「ちょっと、開かないじゃん! 開けて! 開けてよ!!」

ドンドンと激しく扉を叩きながら、敵に追われているかのように必死に懇願する女性の声。こんな夜中に、近所迷惑だよ。

「引くんじゃなくて押すんだよ、シミ姉」

余程焦っているのか、僕が指摘しても開く気配はなかった。全然聞いちゃいない。日頃の恨みだ。暫く苦しませてやろうと思い、彼女の訴えを無視した。

「ちょっと……早くマジで……ウ……アぁ……これ無理……あ……あ……あぁ〜……」

それから十秒も経たない内に、ドアノブの動きが止まった。聞こえるのは、彼女の苦しげなうめき声とシャワーが流れるような水音。

「イヤ……イヤ……イヤァ…………!!」

もしやと思い、僕は立ち上がり玄関の扉を開けた。そこにはシミ姉が立っていた。綺麗な栗色に染めた長い髪の長身女性で、少しギャル混じりだが品のあるセクシーなファッション。しなやかな腕のラインが強調されたシャツ、特にホットパンツから伸びる日に焼けた美脚は彼女の自慢だった。

「ヘ……へへ……」

しかし、今日はいつもと大きく違った。
自虐的に渇いた笑いを浮かべながら、目元に涙を浮かべる彼女のズボンの股の部分は、著しく濡れていた。黒く染め上げられたその島から枝分かれするように、ズボンの裾部分から漏れ出したその黄色い液体は、魅力的な太腿を伝い、お洒落なサンダルに侵食し、最終的にコンクリートの地面に黒い水溜まりをつくっていた。

「へへ……やっちゃった。ションベン、出ちゃったよ。ハハ……」

自分の恥ずかしい失態をごまかすように、彼女は涙目のままペロッと舌を出して笑った。

「あんまし……見んなよ、タロウ。何かさ、恥ずいよ……」

そのとき、僕の心臓が大きく揺らぐのを感じた。
そのお茶目な姿にではない。
自分よりも年上なのに、子供のようにオシッコを漏らした女。
お気に入りのズボンやサンダル、果ては下着までもをオシッコ色に染めてしまった女。
普段から威張りちらしている僕の前で、顔から火が出るくらい恥ずかしいはずなのに、強がって笑顔を見せる女。
その一つ一つがあまりにも哀れで、辛そうで、何より愛おしくて。
気付けば、股間に熱いものを感じていた。
血が繋がっていないとはいえ、義理の姉である彼女に。普段から痛い目に合わされているはずなのに。迷惑なはずなのに。

ーーこんな気持ちになるなんて。



「第一話 学園(エデン)は檻の中」〈完〉

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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