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《84》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(1)ー8 覚悟

バスタオルを身体に巻き付けた彼女は、感謝の意を示すように顔だけコクンと俯けた。
その彼女を横目に僕は浴室を出ると、今度は洗面台に水を張り数枚の雑巾を濡らした。横に持ち、ねじりながら絞る。
そして洗濯機の中を覗いた。そこには彼女が先程まで履いていたズボン、シャツ、そして下着が入っている。洗濯機を回す前に少しでも水洗いをしておきたかったのだ。
まずはズボンを手に取り(生暖かいところを触ってしまった)、次にシャツ(付いてないところを手に取った。良かった)、そして最後に下着。

(…………)

濡れていない部分以外は、既にひんやりと冷たくなっていた。つい先程まで、シミ姉が履いていた下着。
僕はその丸まった下着を広げてみた。

(…………うわぁ)

言うまでもなく、股関部分は薄黄色にグッショリと濡れ、お尻の辺りはその大部分が灰色に染め上がっていた。彼女の言っていた「お尻が汚い」という彼女の言葉が、痛いほど胸に刺さる。そしてツンとくるオシッコの匂い。確かに強烈ではあったが、決してイヤなものではなかった。それはやはり、シミ姉がどういう人かを僕は知っているから、そんな彼女のオシッコだからだろうか。
いずれにせよ、こんな姿見せられない。僕は急いで衣類を水に漬けると、雑巾を手に現場へと向かう。

(わぁ……やっぱり匂い篭っちゃってるな……)

洗面所から出て、ダイニングキッチンに入った途端、予想を超えた匂いに思わず顔をしかめてしまう。もう秋とはいえ、窓も開けずに部屋にオシッコを放置しておいたのはやはりマズかったか。とにかく、シミ姉が出て来るまでに何とかしなくては。
僕は部屋中の窓を開けると、雑巾でオシッコまみれの床を拭き始めた。しかし、一枚では全然足りず、逆に湖の範囲を広げるだけだった。

(相変わらず、スゴいな……)

シミ姉のオシッコの量は多い。それこそ女性の平均値を余裕で超えているのではないかと思う(女性の平均値を知らないが)。
前日にお酒を飲み過ぎたりしたのなら仕方ないが、最近はそんなことなかったはず。むしろ、こうなることを想定して、出来るだけ水分を摂らないようにもしている。それなのに、この量だ。こんなこと言ってしまうと、彼女を余計に傷付けさせてしまうので口には絶対出さない。
床が綺麗になったのを確認すると、今度は棚の一番上から「消臭スプレー」と書かれたスプレー缶を取り出した。それをシュッシュと部屋中に噴霧させた。これでどこまで効果があるから分からないが、やらないよりはマシだ。
そして濃厚なオシッコが染み込んだ雑巾を、キッチンの洗い場で念入りに水洗いしていると、扉の開く音と共にシミ姉が部屋に入ってきた。
お風呂上がりらしく、火照った表情、蒸気が立ち昇る身体、そして身体に巻き付かれた新しいバスタオル。
ーーしまった。彼女の下着と着替えを出しておくのを忘れていた。「ゴメン」と箪笥に向かおうとしたところで、彼女が悲痛な声を出した。

「やっぱり……オシッコ臭いね……」

彼女は鼻をひくつかせながら、悔しそうに呟いた。視線の先には、不自然に綺麗な床。

「ゴメンね、太郎。ここ太郎の部屋なのに……私のせいでどんどんオシッコ臭くなっちゃうね」

心細く瞳を揺らしながら、彼女は胸元でバスタオルをギュッと掴む。綺麗な黒髪から、ちゃんと拭きとれなかった雫がポチャリと床に落ちた。まるで心の涙のように。

「私のことイヤになったらすぐに言ってね。出て行く覚悟はいつでも出来てるから」

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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