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《85》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(1)ー9 荒療

無理にでも明るく振舞おう、そんな気持ちがだだ漏れの作り笑顔。心が痛いほどギュッと締め付けられる。
もういい。やめてよシミ姉。僕はそんなこと言ってないし、思ってもない。

「姉さん、そんなことよりも早く着替えよう? お腹も空いたし、朝ご飯作ってよ」

こんなのイヤだ。少しでも空気を変えたくて、僕はそんなことを口にした。
気付くと起きてから一時間以上空いていた色々あったがさすがに空腹はごまかしきれない。
あまり懸命な考えとは思えないが、食べてイヤなことは忘れよう。そう思ったのだ。
シミ姉は頼み事をされて嬉しかったのか、パアッとした笑みを見せると「ウン、ちょっと待っててね」とガスコンロの前へ立った。
僕は食卓用の机の椅子に、シミ姉と背中合わせになるように座った。

「…………」

二人の間に会話はなかった。流れるのはとてもぎこちない空気。
本当なら何か話すことがあったかもしれない。
「元気出して」違う。
「気にしてないから」違う。
「綺麗だよ」論外。
無い知識を絞らせても、何も浮かんでこない。
童貞ではないが、交際経験は少なかった。もっと学生時代に遊んでおけば良かったと後悔してももう遅い。
しかも頭に浮かぶのはーーおもらしした直後のシミ姉、お風呂場でまるで子供のようにお世話をされるシミ姉、そしてシミ姉のおもらしパンツーー……とにかく、イケない絵ばかり浮かぶのだ。
違う。僕はそんな変態じゃない。僕は教師なんだ。若人達を教え導く聖職者なのに。
そんな感じで自問自答していたら、ムワッと良い香りがした。シミ姉お得意の特製味噌汁の匂いだった。
ウン、朝は一汁一菜が丁度良い。これぞ日本人のーーアレ、そういや。

「ーーシミ姉、服着たっけ?」

何気なく振り向いた僕の目に飛び込んできたシミ姉は。

「ウン? 着てるよ」

彼女は、エプロンをしていた。
ウン、それはいい。炊事の際は衣服を汚さないためーーイヤ、ちょっと待て。
僕の目に入ったのは、型のよいお尻、太ももとくびれ、少し華奢な背中。
シミ姉はエプロン以外、何も身につけていなかったのだ。全裸にエプロンのみ、いわゆる〝裸エプロン〟状態だった。
そのため大事なところが丸見えとなっており、大きく盛り上がった胸は背後からでもその形がよく分かる。

「…………!!」

完全に油断していた僕は、漫画みたいに椅子から転がり落ちてしまった。

「……な、シミ姉!? 何て格好してるんだよ!!」

僕は体を立て直し、声を張り上げた。見てはいけないと分かっていながらも、視線がシミ姉に吸い寄せられてしまう。

「あぁ、これ?」

彼女はエプロンの裾を摘み、その場で一回転したりした。小さなエプロンが翻り、大切なところが見えそうになる。「似合ってない?」と聞いてくるが、そういう問題じゃない。

「……ほら、お漏らしの〝おしおき〟よ」

しおらしい声で、耳まで真っ赤にしながら答えた。
それで僕も数ヶ月前の会話を思い出し、何気にカレンダーの掛かった壁を見つめた。「10月」のページには、いくつかの日付に〝×〟が書かれてある。

「私……もうこれで、今月五回もお漏らししちゃったでしょう……五回目は『裸エプロン』だったよね?」

その日もシミ姉にそんなこと言われた。

『おもらしが治らないのは、きっと私が今の現状に満足してるからなのよ。荒療治が必要だと思うの』

どこで言われたのか調べたのかは知らないが、この日から、おもらしをした分だけ彼女には罰を与えられることになった。罰は月ごとに決めるが、残念ながら何事もなく三十日を終えられたことが今までにない。因みに、そのカレンダーの上には『共通のおしおき〝オシッコの染みがついたお漏らしパンツは全て太郎に贈呈する〟』と書かれていた。

「アハハ……まだ二週間も経ってないのに、もう五回か……酷いなぁ私。えっと次は……そっか……『自宅でいるときは裸で過ごす』だったよね。どうしよう……でもそれもいいかもね」

彼女は悲しげに顔を俯け、自嘲気味に言葉を吐いた。マズい、今日のシミ姉は本気で落ち込んでいるようだ。

「これでパンツとか洗わずに済むもんね。本当は太郎も嬉しいんじゃない? これでお姉ちゃんのオッパイ見放題だもんね、揉み放題だもんね。お尻もスキだらけだもんね。イイよ、私何にも抵抗しないから」

「シミ姉、もうやめて」

今この部屋には僕達二人しかいない。
でも、もし第三者に見られでもしたら、聞かれたりしたら。まるで僕がシミ姉の弱味に付けこんで、彼女と変な関係を結んでいるように思われるかもしれない。

「どうしたんだよ、今日はちょっとネガティブが過ぎるよ。そんなシミ姉、僕はーー」

そこまで言って僕はハッとなった。
いけない。思わずあの言葉を口走ってしまいそうになった。
言ってはいけない、あのフレーズを。

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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