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《90》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(2)-4 退場

「ヒッグ……ごめんなさい……ヒッグ……ヒッグ……」

彼女の今日の服装は、飾り気のないTシャツに使い古されたようなハーフパンツ。施設の子供達は金銭面に苦労しているものが多く、寄付によって集まった、誰かのお古を着用しているものが多かった。当然オシャレも出来ないし、贅沢を言う子もいない。
そのハーフパンツは、彼女の吸収しきれなかったオシッコで無惨な状態を晒していた。クロッチ部分は勿論のこと、お尻、裾、さらには靴下と屋内スリッパまで生々しく濡れそぼっていた。先程まで彼女が座っていたのであろう椅子の上には水溜まりが出来ており、そこからポタポタと滴り落ちるオシッコが、床にさらに大きな湖をつくっている。黄色がかった水溜まりが。
ユカリちゃんは若い女性の職員に抱き締められながら、エッグエッグと悲痛な嗚咽を発し続けている。そのためオシッコで濡れたハーフパンツのお尻が丸見えとなっていた。

「や〜い、お漏らし女〜! お漏らし女〜!!」
「クッセ〜! コイツ臭ぇ〜!!」
「明日から、オムツしろよ〜! 赤ちゃんみたいにさ〜!!」

一緒に授業を受けていたのか、お調子者の男子達が彼女を囃し立て続ける。おどけるように彼女の周りで踊るものや、わざと彼女に近付き鼻を摘みながら罵声を浴びせるヤツもいた。職員の女性や、中西さんが彼らを諌めようとするが彼らは聞く耳を持たない。

(…………)

そのとき、僕の脳裏に浮かんだのは強烈な既視感。
つい最近見たことがあった。
女の子のお漏らしを。
知っている女の子のお漏らしを。
あの娘のお漏らしを。

『い〜い、太郎? 男は女を守らなくちゃいけないの。例え、それが原因で周りから疎まれても気にしちゃダメ。大切なのは、自分の心に素直になれるかどうかよ。後悔は終わった後にいくらでもすればいいわ』

(操華ちゃん……)

別にユカリのことなどどうでも良かった。彼らに恨まれても良かった(元々、施設内でも孤立していたし)。ただ、彼女の教えに背くことだけはしたくなかった。

「…………オイ」

僕はユラリと彼らの元に近付いていった。中西さんから何か呼びかけられたが、聞こえないフリをした。僕は努めて笑顔をつくりながら、一人の男子の肩に優しくポンと手を置いた。そして、何事かと振り向いた彼の頬に。

「くだらねぇことで騒いでんじゃねぇよ!! ガキがぁッ!!」

僕は思いっきり右ストレートを食らわした。その瞬間、予想以上の反動が僕の手のひらから右腕全体を襲った。一方で、きれいにめり込んだ彼の頬から「バギィ」という鈍い音が聞こえた気がした。彼は後方の椅子と机を薙ぎ倒しながら倒れ込んだ。そして、そのままパタリと気を失ってしまった。
周りの皆は、一瞬何が起きたか分からなかったようだが、すぐに状況を把握し各々に行動を取った。残りの悪ガキ共(後で知ったことだが、殴ったヤツは僕と同級生だった)は、「何しやがんだテメぇ」という怒声を上げながら、駆けつけて来た別の職員さんらに抑えつけられた。パニックに陥った教室内で泣き始める女の子らは、ユカリの面倒を見ていた女性職員に慰められ、僕は中西さんに「こっちに来い」と引きずられるような形で無理やり廊下へと退場させられた。

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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