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《105》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー14 機嫌

「翔姉ェ! 待って、ダメだ! 入っちゃダメだ!」

僕は迷わずその扉を激しくノックした。しかし、スライド式の鍵は当然の如く閉め切られてうちり、ビクともしない。

「……え!? タ、タロウ? 何してんの? ここ、女子トイレだよ!?」

彼女の驚いた声がトイレ中にこだまする。さすがに慌てた様子で、内部からドカンと何かをぶつけたような音がした。

「え、あ、イヤ……と、とにかく出て下さい! 分かったかもしれないんです! 犯人の本当の目的が!!」

彼女の抗議にも似た質問は至極真っ当なものだったので、返事に困ったがとにかく今は一刻を争うときだと思った。

「ま、待ってよ……今用を足すとこだから……」

「ダメです! 早く出て下さい、もしかしたら……」

ーージョロ

静かな教員用女子トイレ。故にそれを妨げるものは何もない。それだけに、一人騒いでいる僕の耳にも、その水流が陶器を弾く音はそれなりによく聞こえた。

ーーシュイイイィィ……

それは丁度ホースの先をつまんだときの音によく似ていた。自分も用を足すときに、何の気なしにその音を聞いたことがある気がするけと、その音よりも遥かに大きく響いていた。

ーーシュワワァァッ……

勢いがないように聞こえるのは、おそらく体に力が入っていないから。この場所には異物ともいえる存在である僕の存在が影響しているのは間違いない。

「タロウ……まだいるの? やめてお願い出てって。話なら後でいくらでも聞くから」

彼女の体から零れ落ちる、その恥ずかしい音をハッキリと聞いてしまったせいで、僕の中で時が止まってしまっていた。おそらく彼女もそれに気付いてしまったのだろう。
少しの照れと若干の怒りが混じったような声で、諭すように僕に言い放った。

「あ……ハイ……スイマセン」

僕は何も言い返せず、口をつぐんだままトイレを出た。
先程と同じく廊下に人気はない。今さらだけど本当に良かった。こんなとこ誰かに見られたら、またあらぬ疑いをかけられるかもしれない。
数分置いてトイレの扉がガチャリと開き、中から少し不機嫌そうな表情の矢行先生が出てきた。

「どういうつもり? 説明して」

彼女はトイレの扉に腕組みをしながらもたれかかり、僕を咎めるように声をかけた。

「ハイ……その……犯人の目的が分かったような気がして……」

僕は小さな体をさらに縮こませて答えた。
それを聞いた彼女は表情を変え、身を乗り出してきた。

「目的? それ、どういうこと?」

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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