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《110》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(4)ー3 不良

「お帰りなさい、見栄晴さん」

数秒置いて奥の扉がガチャリと開き、スリッパの音を立てながら、上品そうな女性がこちらにやってきた。見た目では分からないが、若い風貌のわりに落ち着いた雰囲気を纏っており、清楚な色合いのデザインをしたエプロンが、彼女の魅力をより高めている。

「今日は早めに食事の準備を頼む。折角だからそのときに紹介しようと思ったんだが……」

築月氏が話し始める前に、すでに女性は「あら」と言いながら、見慣れない男の子(つまり僕)へと視線を向けていた。

「先に紹介しよう、この子が今日から家族の一員となる太郎君だ。太郎君、こちらは私の妻の花苗(かなえ)だ」

彼女は築月氏の答えを聞くと、納得したように両手をポンと叩き、僕に嬉しそうに話しかけてきた。

「はじめまして、花苗よ。今日からここがあなたの家よ、何も心配はいらないからね」

おっとりした口調。
それを聞いた僕は慌てて会釈をするが、彼女の穏やかな声が降り注ぐ。

「そんな堅苦しい挨拶しなくても大丈夫よ。今日から貴方は家族の一員になるんだから。それにしても、見栄晴さんの言ってた通り賢そうな子ね」

見ているこっちまでクスッときてしまいそうにニッコリ微笑むと彼女は、

「じゃあ丁度いいし、あの娘にも紹介しておきましょうか」

名案とばかりに、今度は彼女が築月氏に話しかけた。しかし、築月氏はギョッとするものを見るように彼女を見た。

「イヤ、ちょっと待て。志美子にはまだ……」

「どうしてよ。この家で住むんでしょ? だったら、遅かれ速かれ顔を合わすことになるんだから。あの娘も丁度今いるし。ね、いいでしょ?」

曇った表情を続ける築月氏に、彼女は納得がいかないと言わんばかりに目を光らせる。それでも「イヤ、だが……」と答えを渋らす築月氏の二人を、僕はただ黙って見ていた。
そんな小さな攻防戦を終わらせたのは、決まるそうな高い声だった。

「……オレが、どうかしたのかよ?」

声のした方へ顔を向けると、二階へと続く階段を降りてくる女の子と目が合った。
彼女は一目で不良と分かる風貌をしていた。学校の制服のようなブラウスは襟元、胸元共に大きくはだけており、長い金髪は綺麗なウェーブがかかっていた。敵をつくりやすそうな鋭い目つきで、片手をポケットの中に突っ込みながら目に入るもの全てを威嚇するようなオーラを出している。一段降りる度にミニスカートが揺れて、長くて真っ白は脚がチラチラと見えた。

「志美子。お帰りなさいは? お父さんが帰ってきたのよ?」

「誰だよ、そのガキは?」

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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