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《126》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(6)ー3 湯気

徐々に慣れてはきているが、未だに義父さんと二人っきりになると、独特の緊張感というか、背筋に何か冷たいものが走る。眼力というか雰囲気というか、とにかくあの人の近くにいると、上から何かの圧力がかかって押し潰されそうになる。さすが人の上に立つ者は違うな(あの人の部下は心臓がいくつあっても足りないだろう……)。などと考えていたら、既に数分が経っていた。
ひとまず目の前の大きな荒波は去った。すぐ部屋に戻って、宿題に取り組もう。テスト明けに勉強する・しないだけで大きな差が生まれるともいうし。
そう思い廊下を歩こうとした瞬間。

「あ……」

廊下の角から顔を出した志美子ーーもとい、義姉さんといきなり顔を合わせることになった。

「…………!!」

義姉さんの僕に対する反応は、この二週間ずっと冷ややかだった。
いつもなら、ここで初めて会ったときみたいに不機嫌な表情で僕を無視して、とっとと去っていくはずだった。
しかし、今日は違っていた。

「…………ッ!!」

彼女はカァッと顔を赤らめると眉を吊り上げ、キッとした表情で睨み付けてきた。その反応に困惑した僕をその場に残すと、そのまま僕の横をすれ違い自分の部屋へと入って行った。何か言っておきたいことがある、でも何も言うことが出来ない。そんな感じだった。

「太郎さん?」

「!!」

彼女の部屋の扉を見ていたため、背後から声を掛けられて思わずギョッとしてしまった。顔を上げると、先程義姉さんが姿を現した廊下の角に、新たに顔を出している人物がいた。義父さんの妻、つまり僕の義母さんの花苗である。

「あの……志美子はお部屋に戻った?」

義母さんは戸惑い気味に、僕が先程まで見ていた義姉さんの部屋の扉を見る。

「あ、ハイ……」

「そう……あ、さっきはゴメンね。おやつ用意してあるから、下においで。話したいこともあるし」

そう言われ、僕は彼女の後に付いて一階のリビングへと向かった。
テーブルの上には、高級そうな皿の上に乗ったイチゴのショートケーキと、香りの良いミルクティーが置かれていた。施設にいたときにも何度か口にしたことはあるが、これほど上品でしっとりと焼き上げられた味わいのケーキは食べたことがない。
しかし今の僕の頭の中は、味の感想よりも別のことで占められていた。彼女のさっき言った「話したいこと」というフレーズが気になっていたのだ。
彼女の方も何か言いたげな感じだったが、中々切り出せない感じだった。そこで僕の方から助け舟を出した。

「あの……義母さん。そういえば、さっき言ってた話したいことって何ですか?」

僕のその言葉を聞いた瞬間、花苗さんは一瞬驚いた顔をして、自分がそのような表情をしていたことに気付いたのかハッとなった。
しかし、すぐに僕に向かって微笑み、

「あ……あぁそうだったわね。ウン、実はね……志美子のことかね」

彼女は自分の前に置かれた、湯気の立つミルクティーが入ったマグカップを握りしめた。

「志美子には言うなって言われてるんだけど、やっぱり伝えておくわね。もしかして、太郎さんに迷惑をかけちゃうこともあるかもしれないし、失敗しちゃったら遅いし……さっきみたいなこともあるかもだし」

さっきみたいなこと。ひょっとしてそれは、僕が帰宅したーーつい三十分程前の玄関先の出来事を言っているのだろうか。

◆◆

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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