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《127》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(6)ー4 騒動

現在午後四時半。
学校の授業が終わり、築月邸に帰宅した僕の目に飛び込んで来たのは、制服姿で喋るのも辛そうに眉をしかめて立っている義姉さんだった。
開け放たれた鉄扉をくぐると玄関前に彼女が立っていることに気付いたが、彼女は何故か家の中に入ろうとせず、ただそこにいた。立ち尽くしていた。
どうしたんだろう、と思ったところで気付いた。

(えっ!?)

彼女はスカートの上から股間をガッチリ押さえていたのだ。見間違いかと一瞬目を疑ったが、やはり目の前の光景は変わらない。
義姉さんは弟の僕から見ても(血は繋がっていないが)端正な顔立ちをしていた。しかし、その表情は張り詰めており、余裕がない。脚を擦り合わせながら、小刻みに身体を震わせ、大きく足踏みまでしている。

(トイレ……? でも何で入らないんだろう?)

彼女の切羽詰まった様子を黙って見ていると、

「……あ、やっと来た……オ、オイ!! 何突っ立ってんだよ! 早く開けろよ! カ、鍵を……開けろよ!!」

僕に気付いた彼女は、相当焦っているのか隣の家にまで聞こえそうな大声を上げた。
彼女は初めて会ったときと同じく、指定のセーラー服をはだけさせ、染めたのであろう金髪をウェーブに巻き、よく見ると唇も何か塗っているのか艶々していた。
不良。ギャル。初めて会ったときから、この女性は僕と違う世界を生きていると感じていた。家ですれ違っても声も掛けられないし、今だってまるで噛み付きそうな野良犬のように顔を歪めている(理由は違うだろうが)。

「は、早く……早くしろよ……ブッ殺すぞ……」

真っ赤になりながら毒づく彼女だったが、苦しそうな表情で身をよじらせる。鋭い眼光もいつもより弱々しく、どことなく涙も浮かべていた。
その姿に恐れの感情は全くなかった。むしろ、恥ずかしそうに頬を上気し、悩ましげな吐息を漏らす姿にほんの少しトクンと心臓の鼓動が早まった。
しかし本当に余裕がないのか、ボウッとしている僕に、

「カギ……鍵……寄こせぇ……あ……あぁ……」

ゾンビのように手を震わしながら、片手を股から外しプルプルと腕を伸ばしてきた。しかし、それはほんの一瞬で、すぐに再びスカートの上から大事な部分を押さえて前屈みになった。
僕は急いでカバンの中をまさぐり、鍵を取り出すや否や、

「早く貸せよ、バカァッ!!」

彼女は鍵を奪い取ると、体当たりをするような感じで扉を施錠し家の中に入る。靴を乱雑に脱ぐ(捨てるといった表現の方が正しいか)と、勢いよく猛ダッシュでバタバタと去って行った。

(……鍵無くしたのかな?)

鉄扉はダイヤル式のロックなので、暗証番号さえ覚えていれば入れる。しかし、さすがに玄関は鍵が無くては入れない。一人一つずつ持っているはずなのに入らなかったということは紛失したということか。
一連の騒動(?)で呆気に取られていたが、ひとまず中に入ろうと玄関に足を踏み入れーー

(……あ)

ーーたところで、靴を脱ぐスペース、そして廊下の床に点々と水滴が落ちていることに気付いた。目で追うと、それは玄関口から始まり、廊下の曲がり角へと続いている。
透明というより、黄色がかった液体が。

(え、まさか……これって……)

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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