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《128》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(6)ー5 体質

これが何かを想像するのに時間はかからなかった。

「……太郎さん? お帰りなさい、どうしたの?」

僕が突っ立っているすぐ後ろから、優しそうな女性の声がした。振り向くと、ポリエチレンの半透明の大きな袋を持った義母さんの姿があった。

「驚かせてゴメンなさいね。家に入らないでどうしたの?」

不思議そうな顔で見つめられた僕は、迷ったが今までのいきさつを全て話した。すると、花苗さんの朗らかな笑みがみるみる青ざめていった。

「じゃあ、志美子は?」

「……大慌てで、トイレに駆け込んでいきました」

そういえば家の中は、静かだった。義姉さんが家の中へと入って、もう一分以上経つ。玄関と一階のトイレはさほど離れていないため、用を足し終えたのならそろそろ水の流す音が聞こえてもいいはず。
何か流せない事情があるのか。
……それとも、〝もう流す必要はない〟とか。

「太郎さん、悪いけどちょっとお二階へ上がっててもらっていいかしら? 後、私がいいっていうまでここで待っててくれる?」

義母さんも異変に気付いたのか、再び優しい笑顔をつくると僕を二階へと促した。不審に思った僕だったが、興味ないフリで「分かりました」とその場を後にした。
自分の部屋にバッグを放ると、すぐに階段の踊り場に身を隠しそっと耳をすませた。何やらコソコソと話しているようだったが、

『……ちゃん大丈夫?……またしちゃった……』
『……仕方ねぇ……鍵……失くした……』
『パンツは……』
『……言わない……アイツには……』

会話の内容は聞き取れなかったが、おおよその見当はついた。
それから数十分後、義父さんが帰ってくる声がしたので、さすがにもういいかと思い〝綺麗な〟玄関口で出迎えた。そしてそのまま、義父さんの書斎まで連れて行かれたのだ。

◆◆

そして今僕は、いつにもまして真剣な表情で僕を見つめる義母さんの正面に座っている。ケーキは全て食べてしまったが、ミルクティーからはまだ湯気が立っていた。

「いい? このことは誰にも話さないでほしいの。学校のお友達にも、ご近所さんにも……お願い出来る?」

僕もまた真面目に顔を引き締めて、コクリと頷いた。そして彼女は言葉を選ぶように、ポツリポツリと話し始めた。
しかしそこから出てきた内容は、おおむね僕の予想通りだった。

「お義姉ちゃん……志美子はね……その、人よりも少しオシッコが近い体質なの。だからね……その、たまに……ほんのたまに、トイレを失敗しちゃうことがあるの」

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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