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《15》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻」 (3)ー6 朱色

――頭の中で、ドクンと心臓が揺れる音がした。
身体に電流が流れた気分。身体の全機能が一時停止した。脳みそを除いて。

「……ルーキー君?」

怪訝な顔つきで、矢行先生は俺に近付く。ふと気がつくと、視界にいっぱいの矢行先生の顔があった。

「ぁ……え……ア、アハハハ!! す、すいません! 何かボーッとしちゃって……えっと、シミ姉のことですよね!  も、勿論! 元気ですよ! 元気すぎてこっちが元気無くすくらいですよ!
ハハハ……」

取り繕う僕の姿は、とてもごまかしきれるものではない。まさに、怪しいを絵に描いたような怪しさ。しかし、矢行先生はそれを感じ取りながらも、あえて何も聞こうとはしなかった。

「そう……なら大丈夫ね」

それだけ言うと、自分のポケットから携帯灰皿を取り出し、タバコの火を消した。サッと身を翻すと、スタスタと保健室に向かって歩いていった。

「ハァ……」

僕はというと溜め息を吐きながら、椅子の上に脱力した。天を仰ぐと、綺麗な朱色に染められた夕焼け空。あのときの桃瀬の頬っぺたの色と同じだ、なんてことを考えた。

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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