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《16》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻」 (4)―1 約束

ザワザワザワ…………

「ちょっと……あの娘、おもらししてない?」
「え、これ、演技じゃないの……?」
「先生……緞帳下げた方が……」

学校の体育館はどよめいていた。
彼女は、ステージの上で立ったまま放心していた。身に纏っているのは、眩しいくらいに映える白のドレス。照明効力による幻想的な光が、彼女を小学生とは思えない程艶やかだった。
彼女の純白の美しさには一点の曇りもなかった――黄色く染め上げられたドレスの前面と、裾から流れ落ちる色濃い液体によってつくられた大きな水たまりを除いて。

「そ……操華(そうか)ちゃん……」

会場を埋め尽くす沢山の観客、同じ舞台に立つ同級生、彼らを率いる先生、そのステージを最新版のカメラで撮影するカメラマン――この会場にいる全ての人間が異変に気付いた。
しかし、件の彼女はその全ての視線を無視し、怖気を覚える程の冷たい視線を僕に向けた。

(――何で……約束破ったの……?)

気付けば周りから人々は消えていた。
どこまでも真っ黒。まるで、異次元にでもいるかのような漆黒の空間。そこには、僕達二人しかいない。

(――私、ちゃんと我慢したんだよ? それなのに……太郎ちゃんは……?)

責めるような強い口調。僕はこれに答えられない。

(――おしっこしてるとこ……みんなに見られちゃったよ……もう、学校に来れないよ……)

厳しい視線に射すくめられて、僕はおずおずと後ずさりする。

(――太郎ちゃんのせいだ……)

さっきまでとは違う恐ろしく低い声で、まるで呪文のように呟く。

(――太郎ちゃんのせいだ、太郎ちゃんのせいだ、太郎ちゃんのせいだ、太郎ちゃんのせいだ、タロウちゃんのせいだ、タロウちゃんのせいだ、タロウチャンノセイダ、タロウチャンノセイダ……)

耳になだれ込んでくる。

(――絶対に許さないから)

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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