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《19》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻」 (4)―4 素朴

「先生」

伊庭先生に声をかけられ、僕は現実に戻ってきた。マズい。担任である自分までこれでは、生徒に示しがつかない。
いつも通り、いつも通り自然に接しなければ。

「あ〜……ゴメンね! ちょっと寝不足で……え〜と……皆おはよう!! じゃあ、ホームルームを始めます! ……あ、いや、その前に伝えたいことが……じゃなくて! その前にプリント配らないと! ……ハハハーー」

全く自然に振る舞えていなかった。

◆◆

四時間目終了のチャイムをBGMに僕は教室を出た。重々しい溜め息を吐きながら。
桃瀬のおもらし事件から既に一週間が経っていたが、ここ最近の僕は誰が見ても分かる程、冷静さを欠いていた。
今までの授業スタイル、即ち『授業の流れを書いたメモ(という名の台本)を教壇に置き、右手にチョーク、左手に教科書、目線は黒板八割、生徒二割(目は合わせない)』では、仮に生徒の誰かに異変が起きても気付いてあげられない。本人が内気な子だったら尚のこと。
前みたいなことは稀だと思っていながらも、意識せずにいられないのが人の性。授業中、否が応にも催している生徒はいないかと(特に女子)気になってしまう。
そのせいか、ハキハキとした声は出せない、授業中に何度も言い間違い、挙げ句の果てに〝おし〟〝おも〟の二文字に動揺すること数回。いつもの感じが、今日まで全く出来ずにいた。異変を感じた生徒は多いはず。このままでは『イジられ先生』ロード真っしぐらだ。
どうしたものかと肩を落とし、トボトボと辿り着いたのは生徒達で賑わう食堂。漆金高校の昼食は給食制ではなく、弁当持参か食堂でとることになっている。この食堂は、懐寂しい学生達に合わせたリーズナブルな料金設定となっている。そのため、教員も使用可能となっていた。
しかし今日の僕の目的は、食事ではない。同居人がつくってくれた弁当を片手に、食堂内をキョロキョロと見回した。すると。

「先生、こちらです」

食堂から繋がっているテラス。白いテーブルの一つに陣取るのは、カチューシャでまとめた黒髪とそばかすが可愛い素朴な感じの女の子。彼女は僕と目を合わせると、すっと立ち上がり深々と頭を下げてきた。

「待たせたね。田代さん」

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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