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短編小説《1》・神様この人でしょうか?(2)

「会社の備品をいくつか買わなきゃいけないの。大きい物もあるから手伝って」

それが中田を休日デートに誘う口実だった。勿論それが本当の目的ではない。
真紀はコーディネートに力を入れた。今までの男は、知的で上品なオーラが出ている女性を好んでいた。恐らく中田は今までとは違うと睨んだ。
私服は黒いニットのセーターにツイード素材のフレアースカート。丈も膝上にして、自慢の太腿を存分に見せつけてやろうと思った。さらに、足元から冷えないように黒のニーハイ。スーツを脱ぎ捨てながらも、オフィスの延長のようなファッションを身に纏うことで、いつもとは違う自分を演出出来る。ダメ押しのボリューミーなマフラーで守ってあげたいオーラを演出。しかし、勝負下着は付けなかった。あくまでも〝遊び〟のつもりだったから。
しかし、待ち合わせ場所の大手百貨店前に着いて唖然とした。中田は、普段会社で見かけるネイビースーツで立っていたのだ。確かに洒落たマフラーが似合っており、この前のヨレヨレスーツよりかは幾分かマシだが……イヤ、そういうことを言っているんじゃない。

「アンタねぇ……休日くらいスーツやめたら? 折角アタシが誘ってあげたのに」

真紀は不機嫌な表情を隠そうともしなかった。どうせ一日だけなのだ。

「すいません。あまりこういったところに来ることもないので」

中田はこれまで通り、表情を一切変えず努めて冷静に返した。だから怒っているのか、困っているのかもよく分からない。

「ハァ……まぁ、イイわ。行きましょ」

真紀はプイと身を翻し、ツカツカと煌びやかな百貨店の入り口へと向かった。頭の中では、今日中にコイツを自分の虜にする作戦が立案されていた。

◆◆

買い出しは一時間程で終わった。事務用品数点とに、帳簿や証明書類、あとオフィス家具系のフロアケースとデスクマットを数点購入。
真紀は荷物を中田に持たせ、次の目的地に向かう。中田は従者の如く後ろに着いてくる。
デパートの中を歩くと、真紀の可憐さに道行く男達は目を奪われっぱなしだった。こういうとき、真紀は自分の美貌を改めて誇らしく思う。
この世は美しいものが勝つ。それは大自然の法則である。若いうちにそのことを知った真紀は、同時に自分がダイヤの原石であることにも気付いた。己を磨き、時代の流れを掴み、自分を美しく着飾った。モデルや芸能界に誘われたことも一度や二度ではない。
真紀は勝ち組のラインに片脚を突っ込んでいる。後は、誰もが羨む生涯のパートナーを手に入れ、死ぬまで幸せに生きるだけだ。それも自分なら可能だという自信もある。ーーそれなのに。

「ねぇ、何で隣に来ないの? ピタッと後ろにつかれると正直キモいんだけど」

真紀は立ち止まり、中田の正面に振り向く。足りない身長分、爪先立ちとなって背伸びするがそれでも全然届かなかった。

「すいません。では、隣に並ばさせて頂きます」

中田は恭しく敬語を使いながら、真紀の隣に立った。
どうして彼はこんなに低姿勢なのか。同期の、しかも女性である自分に対して。真紀はさっぱり分からなかった。
この男のこういう態度が、余計に相手を苛立たせるのかもしれない。

「……もうイイわよ。とっとと着いてらっしゃい!!」

目的階である三階のファッションエリアに着いた。真紀は挑むような眼差しを中田に向けつつ、ニヤリと笑った。

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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