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《52》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(9.5) 休み時間・教室にて

「知ってるー? 明日の集会で築月ッチも喋るんだってー?」
「へー、ルーキー先生も? 何でだろうねー?」
「何かー、去年入った先生を代表して、スピーチするんだってー」
「え? 私が聞いてたのと違うよー。何か、この前の落書き事件について謝るって聞いたけど」
「うそー、築月ッチ無関係じゃん」
「何かー、あの教頭の差し金だって聞いたよ。PTAの偉い人とかが来るんだってー」
「あー、そういや会長ってテレビ出てるんだっけー。教育評論家とかでー」
「やりそー。あのオバさんならやりそー」
「でも、朝の写真はどう考えても、お子ちゃまセンセーのだよね」
「誰なんだろーねー、あの娘。多分ウチの学校の娘だよねー?」
「別にいいじゃん、ハグくらい。ねー?」
「やたらとテレビが騒いでるだけだしー。アタシ、タロー先生なら別にいいかも」
「アタシの方が背ェデカいし、逆に襲ってる風になっちゃうかもねー」
「でもマジで明日謝るワケ? みんなの前で?」
「かわいそー。先生かわいそー」

休み時間。私は黒板消しを片手にクラスの人間の話に耳を傾けていた。
人の噂とはこうも簡単に出回るものなのか。誰が流したのかとか、そんなことどうでもいい。
もし彼女らの話が本当なら、築月先生はただの被害者だ。可哀想すぎる。
女子生徒らは一通り話し終えると、すぐに別の話題で盛り上がり始めた。所詮その程度なのだ。いくら心ない言葉を並べたところで彼女らにとっては他人事。本気で心配することではないのだ。この私と違って。
でも私に何が出来る? 校長に話してみようか? イヤ、私の言葉なんて耳を貸さないだろう。むしろ話すとしたら、教頭の方だ。しかし、あの女性(ひと)は一度決めたことを覆すことはしないだろうし。
悔しい。あまりにも悔しい。こんなにも私は無力なのか。何か出来ることはないのか。
築月先生を……あの人を救える方法が。何か。何かないのか。

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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