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《60》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(11)ー2 発狂

そのとき僕のまぶたから熱いものが溢れた。何てことだ。僕が泣いてどうするんだ。僕は大人として教師として、強さと威厳を持って生徒に接しなければいけないのに。
やはり、僕は教師に向いてないのかもしれない。ここまでしないと、生徒に自分の思いを伝えられない僕は。

「先生……ゴメンなさい」

こんな僕を見て、彼女は呆気に取られたのか涙が引っ込んでしまっていた。そしてうなだれた僕の頭にそっと触れると、強引に自分の元へと引き寄せた。バフッという空気の触れる音とともに、彼女の制服越しの温もりへと包まれた。

「急にゴメンなさい……でも、こうしたくて……本当にゴメンなさい……」

これはアレだ。母性本能というヤツだ。目の前の子供が泣いていたり、落ち込んでいたりすると女性は本能的に慰めたくなるというヤツ。僕が童顔なせいで、男としても教師としても頼りないせいで。あぁ、もう僕は。本当に僕は。こんなことしてる場合じゃないのに。

ーーそれは朝のHR終了のチャイムが鳴るまでつづいた。彼女の甘い匂いの中には、オシッコ特有の香りも混じっていたが、それもまた美しいと感じてしまった。いつまでもこうしていたい、とも。

◆◆

保健室から出て戸をピシャリと閉めると、伊庭先生が腕を組んで立っていた。

「……着替え、手伝わなかったんですね」

不機嫌に眉根を寄せた表情で、そっぽを向きながら。

「えぇ、あのときとは違って、彼女大分落ち着いてますし、替えの場所も分かってるはずですから……」

「でも、抱き締めはするんですね」

冷たい指摘に僕は何も言い返せない。やっぱり見られていたか。

「ハハハ……ひょっとして、写メとか撮っちゃいました?」

少しだけ困ったような声を上げながら、彼女は厳しい顔つきになる。

「いいえ、それよりも今はそれどころじゃないですよ」

そういえばチャイムが鳴っているというのに、生徒らが校舎に戻ってくる気配がない。まさか。

「……ひょっとして、まだみんな体育館に?」

「えぇ。先生が出て行った後、今度は上山君が発狂したように大声を出して錯乱し始めたんですよ。『俺は悪くない』『悪いのは君達だ』とか、『あの不良共がそもそもの発端だ』ともね。そしたら6組の生徒達が騒ぎ始めて……もうパニックですよ。何とか先生方が収めようとしてますが……皆、大混乱です」

あの上山が。一体どうしたのだろうか。全く分からない。もし僕に原因があるとしたら、僕に事態を収める義務がある。

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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