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《61》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(11)ー3 太郎

「教えてくれてありがとうございます。じゃあ……桃瀬さんのことよろしくお願いします」

僕は頭を下げると、踵を返して体育館に向かって駆け出そうとしたーーところで。

「ねぇ太郎」

呼び止められた。〝名前〟で。

「いつまで肩に力入れてんのよ」

振り向くと彼女は、照れ隠しなのかプイとそっぽを向いている。

「前みたいに名前で呼んでよ、二人きりのときくらい」

いつもの冷たい口調だったが、普段の氷のように相手を咎めるものではなく、自分の本心を悟らせないためにわざとキツい表情をつくっているように見えた。

「え、でも……お前が、校内にいるときは仕事中だから気軽に話かけるのは止めろってーー」

「だから、誰も見てないんだからいいでしょって言ってんの……!」

彼女ーー倫子はそれだけ言うと、保健室の扉を開けた。それはもう照れ隠しというより、怒りの感情が勝っていた。

「元カノなんだし」

捨て台詞を残して、ピシャリと戸を閉めた。後には静寂だけが残った。

◆◆

ザワザワザワザワ……。
体育館に着くと、なるほど中は酷い惨状だった。
ある箇所では、数人の教職員がまさに今誰かを抑えつけている状態で生徒の人だかりが出来ており、またあるところでは激昂する不良生徒らと先生方が一触即発の空気を醸し出しており、またあるところでは、バケツを持った数人の先生と生徒らが雑巾でフローリングの床を拭いている。残りの先生方は混乱する生徒らを宥めようとしているが、上手くいってないようだった。

「やっと来ましたか」

入口で呆然となっていた僕に、長身で切れ長の目をした神経質そうな男性が話しかけてきた。

「……敷島先生、あの……これは一体?」

彼の方から僕に話しかけてくるなんて珍しいことで驚いたが、状況を説明してくれるなら誰でも良かった。

「伊庭先生から聞いたと思いますが、まぁ見ものでしたよ。生徒会長・上山君がまるで犯人の容疑者のごとく荒れ狂い、槍玉に挙げられた不良生徒らかここぞとばかりに声を張り上げて、先生らが必死に諌めている最中です。そしてその元凶ともいえる桃瀬さんのモノは、矢行先生と可愛い女子生徒らによって、たった今掃除し終えたところです。ですがまだ残り香といいますか、彼女の残した余波は大きいものです。見ての通り、校長が壇上に立って落ち着かせていますが、やはり生徒らの動揺は大きいとみえます。教頭先生ならあそこでノビてますよ。予想外のことが起きすぎて、彼女のキャパオーバーを越えてしまったようですね。来賓の方々に支えて頂き運んでもらったようで……フフ、これでは立場が逆ですね」

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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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