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《73》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」 プロローグ 目撃 〜Witness〜 (1)


(誰だよ、ビールに利尿作用なんて入れたヤツは……)

人気がなくなった商店街。私はその歩道を息を切らせながら、どこかぎこちなく、それでも早足でズンズンと歩を進めていた。

(大体何だよ、利尿作用って。リンパの流れとか、余分な塩分が排出されるとか、美容にもいいとかいうけど、そんなのどうだって……ハ、ハウゥゥ!!!!)

そいつは突然やってきた。
合コンを終え、今日もイイ男にありつけなかったと、最終電車の中で女友達と愚痴をこぼしていた私の膀胱を、いきなり刺激してきやがった。予想外の攻撃に私はその場で情けなく身をよじらせてしまった。友達に心配をかけまいと、私は笑顔を浮かべる。脂汗を首筋に流しながら。
自分の降りる駅に到着すると、私は慌てず騒がず、とにかく慎重に目的の場所を目指した。

(トイレ……トイレ……早くしないと……)

私を苦しめるもの、それは尿意。つまり、オシッコだ。
いくら花も恥じらう年代を過ぎたかもしれないとはいえ、私もまだ24歳。まだ乙女と言っても大丈夫な年代のはず。そのため、大勢の他人の目と友達がいる電車の中で尿意を教えることが出来なかった。
しかし、この無人駅に降りたのは自分含め四〜五人程。人目を気にすることもないので、堂々とホットパンツの上から股間を押さえることが出来る。そう、気付いたときには、既に瀬戸際だったのだ。

(ウワ……これ、結構ヤバい……ションベン漏れるぅ……でも……)

一つしかない男女兼用トイレ(清掃の行き届いてない)は、酔っ払ったサラリーマンらしき男性の嘔吐のうめき声で支配されていた。男性用小便器が目に入ったが、当然何も出来なかった私に残されていたのは、自宅までの短いようで長い道程だけだった。走れば十分弱くらいだが、そんな余裕はない。私は膀胱に気を遣いながら、ぎこちなく早歩きするしかない。
しかし、今日の尿意の高まり度は想像を遥かに上回っていた。歩き始めて僅か三分で、腹部への強烈は痛みと出口からオシッコが溢れ出るあの感じを感知した。

(あ、あ、あァ……これ、これヤバい!! ダメ、ダメ、ダメぇっ!!!!)

ジュワリと生暖かい感触が、下着を襲った。念のため準備してきた、勝負下着のお尻部分が汚れるのが分かる。それと同時に、私の頬がほのかに蒸気する。

(ヤ、ヤバい……ションベン、チビっちゃった……ど、どうしよう……)

懸命に、本当に懸命に堪えたお陰で、ひとまずオシッコの波を抑えることは出来た。しかし、「チビる」だけで尿意が和らぐわけがない。
おそらく、いや百パーセント〝次〟は絶対に耐えきれないことを確信し、私はサーッと顔から血の気が引いていくのを感じた。

(こ、このままじゃ私……〝おもらし〟しちゃう……!!!!)

考えられる最悪のシチュエーションが頭に浮かぶ。私は腰を引いて、少しお尻を突き出すという、女として恥ずかしい体勢のまま足早にアパートに向かう。
最早一刻の猶予もない。全神経を乙女の股間へと集中させる。失敗するわけにはいかなかった。女としての威厳を守るため、というのもあったが、私にはもう一つの理由がある。

(アイツに……見られるわけにはいかない……)

今、私が住んでいるアパートの部屋には、私の他にもう一人いる。同居人というヤツだが、私が転がり込んでいる身なので、どちらかというと居候という立場なのだが。
年下で、しかも男で、しかもしかも姉弟という関係なのだ。まぁ、血の繋がりはないが……そんなのどうでもいい。
ただでさえ、ほぼ毎日のように不平不満を零されている私が。こんな真夜中に衣服をグッショグッショに濡らして、しかも自分のオシッコで、自分よりも三歳も年下の、一応姉である存在の女性がーーどう思うか。答えは考えるまでもない。
私は気力を振り絞り、片手を股から外し、震える手を必死に操りスマホを耳元まで持っていく。着信相手は、当然件の弟である。

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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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