《48》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(9)ー3 命令
- 2017/04/25
- 17:47
曾相操華(そそうそうか)。それが彼女の名前。物心ついたときからいつも隣にいた、いわゆる幼馴染というヤツで、彼女は当時から美しかった。幼稚園で既にそのダイヤの原石は輝いており、同級生は勿論のことその保護者からも羨望の眼差しを集めていた。さらにそれを鼻にかけるわけでもなく、協調性があり頭の切れる娘でもあった。それは小学生になっても変わらず、学級委員を始め、生徒会に何度も任命されていた。絵に描いたような...
《47》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(9)ー2 月明
- 2017/04/21
- 00:03
自分の行いが悪かったせいなのか。生徒に肩入れし過ぎず、淡々と日々の業務をこなしていけばこうはならなかったのかもしれない。イヤ、それでも桃瀬さんが苦しんでいるのに気付かなかったはず。結局は一緒だ。「どうしたら、いいんだろう……ね?」誰に話しかけたわけでもない。とにかく誰かに聞いてもらいたくて、誰もいない公園に問いを投げかけたーーつもりだった。『逃げちゃえばいいじゃない』意外なところから返事が来た。一つ...
《46》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(9)ー1 公園
- 2017/04/20
- 00:09
秋の日はつるべ落とし。その言葉に偽りはなく、夜の帳は既に訪れていた。月明かりと街灯が漆黒の世界を明るく照らしてくれる、もっと暗いのは僕の心の方だった。担当教科のテストの採点なので、当然自分のクラス以外の生徒全員を行わなければならない。他にも空き時間でこなし切れなかった校務を片付けなければならなかった。僕は部活動等の顧問をしていないため、やるべきことを終えたらいつもさっさと帰ることにしていた。他の人...
《45》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(8)ー6 男子
- 2017/04/19
- 13:59
「僕があのとき、桃瀬さんと二人きりにならなければ、伊庭先生か矢行先生を探しに行っていれば、出来心から下着を眺めるようなことをしなければ……屋上で彼女を抱きしめなければ、こんなことにはならなかったはずです。全部、全部僕の……」「タロウ、それは違う」保健室に一つだけ置かれている教員机が悲鳴を上げる。中身が無くなったマグカップぎ、振るい降ろされたのだ。彼女の小さな叫びと共に。「アンタは何も間違ったことはして...
《44》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(8)ー5 集会
- 2017/04/17
- 22:31
彼女は不満の叫びを隠そうともせず、保健室内に響かせた。既に本日の授業日程は終えており、生徒は各自勉学や部活動やらに精を出しに行ったが……やはり今日は居心地が悪かった。どうやら、僕のクラスにも例の写真を見た者がいたらしく、あっという間に噂が広まり、今日はその件に関しての質問が止まらなかった。『相手の女の子は誰なんですか? 可愛い顔してやりますね〜♪』とか『先生はパンツが好きなんですか〜、私のも見せてあげ...