《33》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (6)ー6 利尿
- 2017/03/25
- 00:06
間違いなかった。1ー2組の委員長件生徒会執行部会長の役職も務める学園きっての秀才、そして桃瀬の恋人でもあるはずの彼が、どうしてこんなところに。いやそもそも、どうして彼らと一緒にいるのか。「上山くぅ〜ん、こんなとこにいていいのか? 〝大切な〟生徒会会議なんじゃなかったの?」「大丈夫だよ。今日は決算報告だけだから、僕一人いなくても何とかなるよ。たまには羽を伸ばさないとね」「ヒュー、エリートさんは言うこ...
《32》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (6)ー5 不良
- 2017/03/24
- 01:58
人の心は決して分かりあえるものではないと良く言うが、それならどうやって人の心を掴めばいい? 人間は本音と建前で生きている。自分のこの気持ちすらも、もしかしたら本音ではないのかもしれない。本人も自分の気持ちが分からないなら、他人がどうして分かるのか? 身体も心も傷付き、何が正しくて何が間違っているのか分からない不安定な状態の彼女の本心はどこにあるのか? 誰が知っているのか? 友達? 恋人? それとも、やっ...
《31》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (6)ー5 記憶
- 2017/03/23
- 03:50
声をかけられていることに気付き、僕はハッと顔を上げた。伊庭先生が不審そうに僕の顔を覗き込んでいた。「さっきのこと、どういうことですか?」(…………)僕は「さぁ、何のことか僕には……」と、意味が分からない素振りで答えた。彼女は怪しんでいたが、ひとまず納得してくれた。◆◆そうこうしているうちに、今日の授業は全て終了。HPを終えた生徒達は、ある者は部活動に勤しみに、ある者は机の上にノートを広げ勉学に取り組み、ま...
《30》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (6)ー4 光景
- 2017/03/22
- 03:33
「は、はい……え〜と、まずは『いじめの実態を調査』します。本当にあった場合は、それが個人かグループかを把握します。その結果をすぐに、校長先生と教頭先生に報告して、指導を仰ぎます」僕は頭の中のテキストを開き、プロセスの手順を伝えた。「素晴らしい。素晴らしいくらい教科書通りの初期対応ね。60点」彼女はスプーンを指揮棒のように振りつつ、僕を諭す。「まずどうやって〝いじめの調査〟をするつもり? 思春期の子供...
《29》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (6)ー3 納得
- 2017/03/21
- 13:18
しかし、今日は自分のクラスで授業がなくて本当に助かった。担当クラスでいじめが起きているかもしれない、という事実を信じたくはないけど、今の1ー4には心当たりがありすぎる。そんな状態で授業中なんてやったら、気まずさで集中なんて出来るはずがない。実際、朝の段階で何人かの生徒はかなりショックを受けていたし。かといって、いつまでも引きずっていてはいけない。いじめ問題に焦りは禁物。しかし、楽観もダメ。落ち着い...