《97》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー6 常備
- 2017/07/20
- 00:53
対策チームのメンバーは、校長・教頭含め、学年主任の先生方と、生徒指導の教員数人、そして被害者生徒を受け持つ担任の教員なのだが、何故か1-3組からは副担任のリンコが選ばれた。確かに彼女は、学園の風紀を守る委員会の顧問でもあるし、こういう問題には適任だと思うけど……何だか複雑な気分。「まぁリンコも選ばれたことで張り切っているんだし。元気だせよ、太郎」リンコの後ろ姿をボーッと眺める姿が寂しそうに思われてし...
《96》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー5 武骨
- 2017/07/19
- 00:46
そう、もしこれが本当に窃盗事件で犯人がいるのであれば、谷教頭にとっては相当頭の痛い問題である。何故なら、漆金学園は安全対策にも力を入れていることで有名な学校だからだ。まず、警備員が二十四時間体制で正門に常駐しており、そこには監視カメラも設置されている。生徒の登下校時にも安全を確保するために常に目を光らせており、関係者以外の人間が本校に入るには、守衛室で渡される入校証の使用が義務付けられている。「……...
《95》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー4 下着
- 2017/07/18
- 00:38
見た目に違わぬ、透き通った威圧感のある声で先生方を見回す。僕は一瞬で気圧されてしまったが、三木村先生は毅然とした態度で彼女に声を掛けた。「それはどういうことだ。まさか、お前さんのところもか?」三木村先生の言葉に、矢行先生は「ハイ」とだけ答えた。その場にいた教師らは深い溜め息をついたが、僕は訝しげに彼女を見つめた。彼女は見た目通りの養護教諭だ。体育教師の資格も持っているため、臨時で体育の授業を受け持...
《94》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー3 年長
- 2017/07/16
- 00:41
「じゃあおたくのクラスも……?」「そうなんですよ。HR中に騒ぎになってて……」「私のとこもです。これってやっぱり伝えるべきですよね……?」漆金学園の職員室は、従来のそれよりも解放感がある造りとなっており、机の配置は教室で給食を食べるときに班同士で机を向かいあわせるように並べたものに近い。その、主に一年生を受け持つ教員らが集まるエリアで、数人の先生らが深刻そうに話し合っているのが見えた。とても無視出来る雰...
《93》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー2 悪態
- 2017/07/14
- 23:02
溜め息を吐きながら生徒らを諌めるリンコ。それを眺めていると、背後から僕の名前を呼ばれた。振り向くと、やはり生徒が立っていた。今度は男子生徒だったが。「僕の漢字のプリント……持ってたりしませんよね?」僕に話しかけたのは、スポーツ刈りの男子生徒。頭をポリポリかきながら、少し困ったようや顔付きをしていた。「漢字のプリント? いや、持ってないよ。授業前にみんなに渡したでしょ?」今日の三時間目が僕の授業。課題...