2ntブログ

記事一覧

《56》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(10)ー4 異変

◆◆広い体育館を静寂が支配する。こんなに人口密度が高いのに、言葉を発する者は誰もいない。何故なら、声を出す権利を与えられているのは僕だけだから。僕は覚悟を決め、スタンドマイクを丁度良い位置にセットする。準備は整った。原稿が脳内ディスプレイに表示される。そのときーー。「ちょっと……何……? ……イヤァ……!!」沈黙が破られた。僕じゃない。女の子の高い声だった。すると、これに呼応するかのように。「何……何……」「ウ...

続きを読む

《55》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(10)ー3 視線

兎にも角にも、僕は校長と入れ替わりで壇上に立つこととなった。演台までの距離がとてつもなく長く感じる。数百人の生徒と教員の視線に押し潰されないように、足に力を入れ一歩一歩踏み出していく。壇上に立つと、分かっていたことだが沢山の人間と真正面から対峙することになる。ある者は好奇の目で、ある者は哀れむような目で、またある者は欠伸をしながら興味のない顔つきで。注目を集めるとはこういうことなのか。……あのときの...

続きを読む

《54》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(10)ー2 壁際

絞り出すような、考えた末の言葉のようなトーンの声音で彼女は言った。「私は大丈夫だから。もし、私のせいで太郎が本当にやりたいことが出来ないのなら、私は気にしなくていいから。私は大丈夫よ、何があっても。だから……」「シミ姉」僕はつとめて平静を装いながら、彼女に顔を向けた。「何言ってるの? 僕は平気だよ。それより、今日は昨日みたいに遅くならないから。あ、そうそう」再び出て行こうとしたところで、僕は思い出し...

続きを読む

《53》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(10)ー1 平気

朝食は出来るだけ全員で、というのが築月家の方針である。しかし今、このアパートの自宅には僕とシミ姉の二人しかいない。つまり必然的に朝食は二人っきりとなる。「おはよう、シミ姉」「……あ、太郎。おはよう」エプロン姿のシミ姉は、僕の姿を見るなりニコッと微笑んだ。しかし、どことなくぎこちなさそうである。一つしかない机には、既に食事の準備が整っていた。ご飯に味噌汁、卵に漬物の入った小鉢と、まるで旅館にいるかのよ...

続きを読む

《52》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(9.5) 休み時間・教室にて

「知ってるー? 明日の集会で築月ッチも喋るんだってー?」「へー、ルーキー先生も? 何でだろうねー?」「何かー、去年入った先生を代表して、スピーチするんだってー」「え? 私が聞いてたのと違うよー。何か、この前の落書き事件について謝るって聞いたけど」「うそー、築月ッチ無関係じゃん」「何かー、あの教頭の差し金だって聞いたよ。PTAの偉い人とかが来るんだってー」「あー、そういや会長ってテレビ出てるんだっけー...

続きを読む

プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

Twitter
https://twitter.com/mashiroirosymp1