《37》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (Ⅰ)日誌2ページ目
- 2017/03/30
- 12:27
――それから数分も経たないうちに、伊庭先生が現れた。電話では詳しい説明をしていなかったので、簡単に状況を伝えると彼女はすぐに真剣な顔つきになって桃瀬さんの解放にあたった。ここにいるのも気まずくて、上履きに付いた桃瀬さんのオシッコを拭き取ると僕は屋上の扉へと通じる学校内の階段へと避難して、諸々の作業が終わるまで待つことにした。これで、僕も少しは彼女の担任として成長出来たのかな、なんて思いながら。そう。...
《36》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (7)ー3 担任
- 2017/03/29
- 00:15
「ゴメンなさい……何度も何度もみっともないところを見せてしまって……汚いものをみせてしまって……本当に死んじゃいたい気分です」赤く腫れた瞳に滲む涙が意図するものは、悲しさか、それとも悔しさか。そんなことどうでもいい。目の前で悲観にくれる女の子がいたら助けるのが男のつとめ。それは未来永劫ずっと変わらない必然のはず。僕は、彼女の瞳を射抜くように見つめる。「いいか、桃瀬。さっきも言ったと思うけど、君が死んだら...
《35》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (7)ー2 蓄積
- 2017/03/28
- 02:07
「ウ……ウ……」渇いた彼女の目から、ぼろぼろと涙が零れ始める。端正な顔をぐしゃぐしゃに歪め、そして。「ウゥ……ウァ……ウワアァァァァン!!!!」僕に思いっきり突進してきた。急な抱擁に驚いたが、僕は彼女を真正面から受け止めた。ズボンが少し彼女のオシッコで滲んだが、彼女を拒むことはしなかった。「先生ぃぃ……!! ゴメンなさいィ!!!! 私……あたし……アタシ、またぁぁ……!!!! ウワアぁぁぁぁ!!!!!!!!」堰を切...
《34》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (7)ー1 貯水
- 2017/03/26
- 03:17
放課後の学校の中を、僕は桃瀬さんの姿を探して回った。今の彼女が行きそうな場所は限られている。だから、彼女が屋上の貯水タンクの前で体育座りをしていても驚かなかった。「桃瀬さん……」僕は荒ぐ息を整えると、彼女の横に腰を下ろした。彼女は顔を伏せ、僕と目を合わせようとしない。何を話していいか分からない。彼女自身も放っておいてほしいのかもしれない。しかし、ここを動くことは出来なかった。そのとき。ーーショワショ...
《33》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」 (6)ー6 利尿
- 2017/03/25
- 00:06
間違いなかった。1ー2組の委員長件生徒会執行部会長の役職も務める学園きっての秀才、そして桃瀬の恋人でもあるはずの彼が、どうしてこんなところに。いやそもそも、どうして彼らと一緒にいるのか。「上山くぅ〜ん、こんなとこにいていいのか? 〝大切な〟生徒会会議なんじゃなかったの?」「大丈夫だよ。今日は決算報告だけだから、僕一人いなくても何とかなるよ。たまには羽を伸ばさないとね」「ヒュー、エリートさんは言うこ...