《94》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー3 年長
- 2017/07/16
- 00:41
「じゃあおたくのクラスも……?」「そうなんですよ。HR中に騒ぎになってて……」「私のとこもです。これってやっぱり伝えるべきですよね……?」漆金学園の職員室は、従来のそれよりも解放感がある造りとなっており、机の配置は教室で給食を食べるときに班同士で机を向かいあわせるように並べたものに近い。その、主に一年生を受け持つ教員らが集まるエリアで、数人の先生らが深刻そうに話し合っているのが見えた。とても無視出来る雰...
《93》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー2 悪態
- 2017/07/14
- 23:02
溜め息を吐きながら生徒らを諌めるリンコ。それを眺めていると、背後から僕の名前を呼ばれた。振り向くと、やはり生徒が立っていた。今度は男子生徒だったが。「僕の漢字のプリント……持ってたりしませんよね?」僕に話しかけたのは、スポーツ刈りの男子生徒。頭をポリポリかきながら、少し困ったようや顔付きをしていた。「漢字のプリント? いや、持ってないよ。授業前にみんなに渡したでしょ?」今日の三時間目が僕の授業。課題...
《92》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(3)ー1 週間
- 2017/07/12
- 00:49
いよいよテスト週間が始まった。この一週間はテスト前ということで、全ての部活が活動停止となる。この期間中の放課後の過ごし方は、人それぞれ全く違う。さっさと家に帰って一人で勉強に励む生徒や、教室に残って友人らと共に勉強に取り組む生徒も多い。そして職員室には多数の教員が座って、テスト作りに精を出す。部活も無く、帰る生徒も多いので、ホッと出来るひと時という先生もいるので、こちらも人それぞれである。僕はとい...
《91》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(2)-5 馬鹿
- 2017/07/11
- 00:42
「太郎くん! 落ち着きなさい、何やってるんだ!! 」放り出されるように廊下へと弾き出された僕は、前につんのめりそうになったがすんでのところで堪えた。そして、溢れる感情を身体から隠すことなく、しかし決して表情には出さないように中西さんを睨め付けた。「……何をって……見て分かんないんですか。デキの悪い連中に教えてやったんですよ、傷付けられた子の苦しみを……」「馬鹿モノ! 暴力では何も解決しない! ……君なら……それ...
《90》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(2)-4 退場
- 2017/07/09
- 00:51
「ヒッグ……ごめんなさい……ヒッグ……ヒッグ……」彼女の今日の服装は、飾り気のないTシャツに使い古されたようなハーフパンツ。施設の子供達は金銭面に苦労しているものが多く、寄付によって集まった、誰かのお古を着用しているものが多かった。当然オシャレも出来ないし、贅沢を言う子もいない。そのハーフパンツは、彼女の吸収しきれなかったオシッコで無惨な状態を晒していた。クロッチ部分は勿論のこと、お尻、裾、さらには靴下と...